くつみがきのチレミイ(amazing sneaker cleaning in Tokyo)

くつみがきのチレミイ(amazing sneaker cleaning in Tokyo) 【関東】

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靴磨き、スニーカークリーニング

2023/03/24 のショップニュース

思い出の靴の日

思い出の靴の日
3/15 「靴の記念日」に関する催し物へ行ってきた。コロナパンデミックによる心配から遠ざかってしまっていたが3年ぶりに、主催する方にお会いでき、しかも、私の話を大変丁寧に聞いて助言もくださりありがたかった。

私が拝見した期間は、作家さんによるこども靴特集であった。この中に、私の知っている作家さんがいる。

大学一年生の時、クリエイターズマーケットという催し物へ行こうとした。が、向かう途中で面倒くさくなって寄り道を繰り返し、結局終了10分前くらいに後片付けムード漂う中おそるおそる入場した。出入口のすぐ近くで出展していた3人くらいの若者から「君!くつ好きそうだね!」と声をかけられ、話を聞くと靴教室に通って制作している同志だという。その内でとりわけ元気な若者が、前出の作家さんであった。
皆さん、創作意欲が溢れ出している様子で、ストライプのシャツをバラして吊り込み、色々な柄の靴を作っている人がいたことを覚えている。
そして後日、浅間町という場所にあったその靴教室へ連れて行ってもらうことになった。後に知ることとなるのだが、こちらは有名な職人さんとその息子さん(おそらく)が営む教室であった。体験ということで特別に、破格の安値でセメンテッド製法の革靴を一足作っていただいた。私は身分不相応ながらこだわりだけは一人前だったから、ピンク色の革で、踵ブロックのないぺったんこ靴にして欲しいと図々しく頼んでしまった。自分はおそるおそる初めて持つ革包丁でパーツを切り出したくらいだったのだけれど、先生が手際良く作業を進めていくのを見て、少しのズレも許されないモノ作りであること、当然ながら左・右で同じ物を2つも作らなければならないことを知る。そして自分の中には靴作りをする覚悟がないことにも気付いてしまってほんのりと絶望した。また費用もそれなりにかかることなので、何としてでもお金をそこへ注ぎ込む覚悟も持てず通うことは断念してしまった。

その後にも、声をかけてくれた作家さん達が長者町繊維街という場所で出展していて、たまたま出会うことがあり相変わらず愛想良く接してくださったが、今思い返してみれば縁が切れてしまったのは残念で仕方ない。
今まで心変わりすることはなく私にはやはり靴作りは出来なかった。しかし、不思議な縁の連続で、とるに足らない者ではあるが、端くれの端くれとして靴業界に今居る。
声をかけて下さった皆さんはどうか今でも創作意欲が湧き出し靴作りを続けておられて、欲を言えばいつかまた皆さんと出会うことができ「君もやっぱりくつが好きだったんだね!」などと話ができたらとてもうれしい。
と、「靴の記念日」に、一片の靴の思い出を振り返ることとなった。