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皮鞣し(なめし)皮革製造現場をレポート。豚革なめし加工の山口産業(株)さんの工場見学に参加させていただきました。  

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豚革(ピッグスキン)を植物タンニン鞣しで製造する山口産業株式会社さんの工場見学に参加させていただきました。
同社では月に1度工場公開を行っていて、見学の申し込み(チケット購入)は公式サイトより行うことができます。

山口産業の革(皮)鞣し工場
東京都墨田区の本社隣にある工場。
京成押上線「八広駅」より徒歩8分。山口産業オリジナルブランド「ラセッテーレザー」のRUSSETYロゴが建物に描かれており目立ちます。バッグのハンドルのようなものまで付いています。

山口産業(株)代表の山口明宏さん
ドラムの前で革の製造について説明をする山口産業(株)代表の山口明宏さん。
生皮(なまがわ)と呼ばれる原皮を、柔らかくし腐らないようにする工程を「鞣し(なめし)」と言い、化学薬品を用いて鞣すことを「クロム鞣し」、天然物質で鞣すことを「植物タンニン鞣し」と言う。山口産業さんは植物タンニン鞣しによって、豚革を製造しています。以前はクロム鞣しも一部行っていましたが、2年前にクロム鞣しは完全にやめ、すべて植物タンニン鞣しに切り替えた。クロム鞣しの技術は、戦中タンニンの輸入を止められたドイツが開発し、永く品質を保つことができる(場合によっては100年以上)が、鞣す工程や廃棄時に有害物質がでる。植物タンニン鞣しの革は、クロム鞣しの革ほど永くもたないが、環境(自然)に優しく、風合いある革が出来上がるのだそうです。
鞣しの行程のなかで皮から油脂がでるため、それを原料にせっけんなどが作られる。そのため花王などのせっけん工場が墨田区に9割近く集中している。


実際にドラムを回して見せていただきました。桶屋に特注した日本製の木製ドラム。
原皮はまず硫化ソーダで脱毛します。毛が太い豚は、脱毛した毛穴が大きいため、通気性が抜群に良い。
また、火傷した時は豚革を移植するくらい、人間に近い。

革を鞣す木製ドラム(大型)
その隣にも稼働中の木製ドラムが。

革を鞣す木製ドラム
奥にもドラムが2つ。

皮革製造職人
鞣した革を重ねる、職人さん。

植物タンニン鞣しの豚革(ピッグスキン)
工場の2階へ。鞣し終わった豚の革(ピッグスキン)。
きれいな美しい革。肌触りも良い。
日本の白豚は6ケ月で食肉にされるため革も良質、牛革で言えば上級とされるカーフ(6ヶ月の仔牛革)のようなもの。

革の厚みを整える機械
革を平らにして厚みを整える機械 だったと思います。(間違っていたらすいません)

豚革
鞣し終わった革。

豚革
いろいろな色に染色された革。
靴の(ライニング)裏地やソファ、バッグなどの革材料になります。

山口産業ショールーム
2階に併設されたショールーム。
商品となった革材料が並ぶ。

ラセッティーレザー(山口産業)
様々に加工され特徴ある商品に。それぞれに名前が付いています。

熊の革
こちらはちょっと珍しい「熊の革」。
猟師に狩られた熊の革をタンニン鞣しでなめした革。

豚革のモカシン靴
柔らかな革でつくられたモカシン靴。

豚革のベビーシューズ
非常に柔らかな革でつくられた、ベビーシューズ。
なお山口産業では現在、オリジナルクリームやワックスなどの革製品のメンテナンス用品の開発も進めています。


資料として配られた、鞣しの行程をわかりやすくまとめた図解。
ちなみに、一般に皮革をあらわす漢字は、同じ「かわ」でも鞣す前を「皮」、鞣し後を「革」と、ふたつ使い分けされています。
以下資料より。

「皮から革へ ラセッテーができるまで」
<食肉加工所>
原料皮は全て食肉文化の副産物

<原料皮>

<準備工程>
脱毛-石灰漬け-酵解-ピックル(浸酸)

<なめし>
前なめし-シェービング(1枚1枚裏削りして厚さを均等にします)-本なめし(植林されたミモザの樹皮から抽出される植物タンニンを成分としてなめします)

<染色>
中和-染色-加脂(色によっては一昼夜漬け込む必要も 環境基準に適合する染料のみ使用)

<乾燥>
吊り乾燥(木組みの専用干し場で1枚ずつ棒に掛けて自然乾燥します)-ネット張り乾燥(繊維方向に縮まった革を平らにするための工程です)

<ラセッテーナチュラル仕上がり>


裏面に描かれた野生動物のイラスト。
現在、山口産業さんは「LEATHER CIRCUS(レザーサーカス)」というプロジェクトに取り組んでいて、 野生のシカやイノシシが田畑を荒らす獣害対策により排出される獣皮を鞣し、革にして現地の製品に役立てるという取り組みを行っています。
また、山口さんは一般社団法人やさしい革を立ち上げ、環境に優しい植物タンニン鞣しの「ラセッテーレザー」を広める活動も始めました。

やさしい革 ホームページ
http://yasashii-kawa.org/

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(文・写真/shoepara編集部 大嶋信之)