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ヒロカワ製靴さんの工場見学「スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)の革靴ができるまで」ツアー レポート/浅草エーラウンド2019秋 まち歩きツアー(グッドイヤーウェルト製法の製造工程)  

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2019年10月18日~20日の3日間にわたり、皮革産業および革靴などの皮革製品で国内屈指の産地である浅草周辺で行われた、革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド(A-round)2019 秋」の、まち歩きツアーのひとつでもある、10月18日(金)「スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)の革靴ができるまで」ツアーに参加させていただきました。
今回、筆者は不慣れながらガイド役を務めさせていただきました。ツアーに参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。また、浅草エーラウンドの関係者の方々、ヒロカワ製靴のスタッフの方々、親切にサポートいただき感謝申し上げます。

本社前/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
墨田区堤通にあるヒロカワ製靴さん。
「スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)」ブランドの紳士靴をグッドイヤーウェルト製法にて生産しています。
創業50年、ブランド誕生は40年になります。

歴代の靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
スタッフの方から見学の段取りを説明いただきました部屋には、歴代の靴がずらりと並んでいました。

ウィスキーなどと一緒に並ぶ靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ウィスキーなどと一緒に並ぶ靴。
スコッチグレインでは、革靴をワックスとモルトウィスキーで磨く「モルトドレッシング」というお手入れ方法を提唱している。

スパイダー雅(みやび)とパンダシューズ/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
手前の靴は、京都レザーで作られた「スパイダー雅(みやび)」という靴で、スコッチグレイン40周年を記念して作られた箔の革。
その下は、パンダの顔を模した「パンダシューズ」。
(関連記事:「スパイダー雅」のサンプルシューズを履く廣川社長の足元スナップ

甲革に使われるレザーの説明/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
最初に、工場長から甲革に使われるレザーの説明。
フランス製などの海外製から国産レザーまで、主にクロム鞣しレザーで、製品によって使い分けている。

底材(ソール)に使われるレザーの説明/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
次に、底材(ソール)に使われるレザーの説明。
イタリア トスカーナ産の、良質な植物タンニン鞣しレザーを使用している。
靴のサイズに合わせ、厚みなども変えている。

底材の型抜き(裁断)工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
底材の型抜き(裁断)工程。
各サイズの刃型(抜き型)を使用し、プレス機で抜いていく。

裁断し終えた底材(ソール)/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
裁断し終えた底材(ソール)。

中底の裁断工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
中底の裁断工程。

アッパー(甲革)の裁断工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
アッパー(甲革)の裁断工程。
底材と同じように、パーツを型取った刃型(抜き型)で抜いていく。

アッパー(甲革)の傷を確認する/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
アッパーは職人の目でキズやシワを確認し、パーツに合った場所を抜くように注意を払っている。

マーカーをつけた革/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
職人が目視しして、マーカーをつけた革。

ストレートチップのつま先パーツのチェック/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ストレートチップのつま先は、一番デリケートな箇所のため、専用の機械を使い職人の目でキズなどを確認する。
裁断し終えたつま先のパーツを機械にセットすると、下からアールが突出し、革が引っ張られたところに、光を当てながら確認していく。
40枚につき1~3枚程度は、微少なキズなどではじかれるそうだ。はじかれたパーツを見せてもらったが、筆者にはキズがわからなかった。
靴は、木型に釣り込む際に革を引っ張って作るので、実際に釣り込んでみないと現れないキズがあるため、他の革製品と違って難しいところだ。

ライニング(裏地)の裁断工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ライニング(裏地)のパーツを型抜き(裁断)している様子。

製甲工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
製甲と呼ばれる、アッパーを組み立てる工程の様子。

職人による製甲作業/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
裁断したそれぞれのパーツを、職人の手作業で組み立てていく。

木型倉庫/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
地下にある木型の倉庫。
職人が作業中に一目でわかるように、サイズによって色が分けられている。
木型には、日本人の足に合うよう、スクッチグレイン独自の創業以来のノウハウが詰まっている。

釣り込み~底付けの工程の様子/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
釣り込み底付けの工程の様子。

シューラスターによる釣り込み/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
シューラスターという釣り込み専用機で、木型アッパーを釣り込む。

釣り込みを終えた靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
釣り込みを終えた靴。
平らだったアッパーが木型にはまり、立体的な靴のかたちになる瞬間だ。

釣り込みを終えた靴のヒール部分/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
釣り込みの際に、木型にヒール部分を固定するための釘。
この釘穴は「タックホール」と呼ばれ、製品になった後にタグなどを通す穴に再利用される場合もある。

かかと部分を手作業で釣り込む職人/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
かかと部分を手作業で釣り込む。

木型と中底に留める機械/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
釣り込んだかかと部分に釘を打って、木型と中底に留める機械。

中底のリブとアッパーを仮止めする職人と機械/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
中底のリブとアッパーを仮止めする。

「すくい縫い」と呼ばれる工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
すくい縫い」と呼ばれる工程。
中底のリブと、アッパーウェルト(細革)をいっぺんに縫合する。

余ったウェルトをカットする機械/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
余ったウェルトをカットする機械。

ヒール部分を平らに削る/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ヒール部分を平らに削る。

ソールを圧着/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ソールを圧着する。

出し縫い/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
出し縫い」と呼ばれるソールを、ウェルトに縫い付ける工程。

出し縫いを終えた靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
出し縫いを終えた靴。
レザーソールに、熱したコテで模様が付けられている。

底付け工程の工場の様子/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
底付け工程の工場の様子。
ツアー参加者たちは5~6名の班に分かれ、各班に一名づつ担当者がついて、丁寧に説明をうけながら各工程を見て回ることができた。
今回の参加者数は20名程だったので、3班に分かれて見学した。

ローリングマシンで、ソールを木型に馴染ませる/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ローリングマシンで、ソールを木型に馴染ませる。

余分なソール部分をカットする/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
余分なソール部分をカットする。

ソールまわりを削って平らに形成する/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
グラインダーという削り機で、ソールまわりを削って平らに形成する。

形成し終えたラバーソール/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
形成し終えたソール。(写真はスコッチグレインオリジナルラバーソール)
ヒール部分に接着剤が塗られている。

ヒール付け工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ヒール付け工程。
接着剤を塗っておいたヒールを、熱して再溶解させ圧着する。

ヒールが付け終わった靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ヒールが付け終わった靴。

レザーソールの仕上げ工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
レザーソールの仕上げ工程。
専用仕上げ材で着色し磨く。

敷き革を敷く/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ロゴが刻印された、敷き革を敷く。

アッパーをバフで磨く/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
アッパーを、高回転するバフで磨き艶をだす。

ソールまわりの仕上げ工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
ソールまわりの仕上げ工程。
着色しながら磨いていく。

熱風をかけてきれいに革のシワを伸ばす/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
熱風をかけて、きれいに革のシワを伸ばし、木型に馴染ませる。

アッパーの仕上げ作業/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
アッパーの仕上げ作業。

専用クリームで磨き上げていく/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
専用クリームで磨き上げていく。

茶色の靴の仕上げ工程/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
茶色の靴の仕上げ工程。
専用クリームで磨き上げる。

磨き終えた靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
磨き終えた靴。
美しい艶だ。

仕上げ終えた黒の靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
仕上げ終えた黒の靴。
手作業ならではの、程いい艶感で美しい。

専用シューキーパーを入れ、検品し箱詰めする/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
専用シューキーパーを入れ、検品し箱詰めする。

出来上がった靴/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
様々な工程を経て、出来上がった靴。
一枚革だった材料が、職人の手によって見事な靴に生まれ変わる。

色とりどりのアッパーのブーツ/「スコッチグレイン」ヒロカワ製靴工場見学
工場(本社)の入り口にあったブーツ。
色とりどりのアッパー、また面白い靴が出来そうだ。

■スコッチグレイン 公式サイト
http://www.scotchgrain.co.jp/

(文・写真/shoepara編集部 大嶋信之)