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編集部トピックス

株式会社中田靴木型製作所(東京都葛飾区)に伺い、靴の木型(靴型・プラ型)の製造工程を拝見させていただきました。

株式会社中田靴木型製作所(東京都葛飾区)に伺い、靴の木型(靴型・プラ型)の製造工程を拝見させていただきました。

2020年12月9日(水)、葛飾区水元にある靴の木型(ラスト)を製造する、株式会社中田靴木型製作所に伺いました。
同社は、1918年創業の老舗木型メーカーで、主に紳士靴用と婦人靴用の既製靴の木型(靴型)を製作しています。
靴関連のイベントを企画運営するシューフィル様よりお声がけいただき、靴職人・靴作家、靴メーカー、靴づくり講師などの10名程度で見学させていただきました。

削り出す前のプラスティックの塊/中田靴木型製作所
削り出す前のプラスティックの塊。

/中田靴木型製作所
初めの工程を経て、削り出したプラスティック。ここから更に細かく削り出していき、美しい曲線の木型が出来上がる。

木型を削る機械/中田靴木型製作所
木型を削る機械のひとつ。

「デジタイザー」と呼ばれる、元となるベースの寸法を読み込む機械/中田靴木型製作所
「デジタイザー」と呼ばれる、元となるベースの寸法を読み込む機械。
セットしたベース(木型)が回転し、ローラーが回りながら寸法を読み込む。
1回転(360度)で720ポイントもの座標を計測する。実に0.5度毎に1ポイントという精度。

3D画像で木型が表示/中田靴木型製作所
読み取った座標を元に3D画像で木型が表示されていく。

3D表示されたベース(木型)/中田靴木型製作所
計測し終わった時点で、3D表示されたベース(木型)。
このデータを基に、プラ型と呼ばれる量産向けの木型(靴型)を製作する。

木型を製作する機械(シューラストメイクマシン)/中田靴木型製作所
木型を製作する機械のひとつ。

案内を担当してくれた、中田裕之介さん/中田靴木型製作所
案内を担当してくれた、中田祐之介氏。
木型職人でもあり四代目にも当たる同氏が、作業工程のひとつひとつを丁寧にガイドしてくれた。

プラ型を削り出していくマシン/中田靴木型製作所
「デジタイザー」で読み取ったデータを基に、プラ型を削り出していく。

削り出したプラ型/中田靴木型製作所
削り出したプラ型。

綺麗に形成されたプラ型/中田靴木型製作所
綺麗に形成されたプラ型。

手作業の木型を研磨/中田靴木型製作所
手作業の研磨で、仕上げていく。

グラインダーで木型を研磨/中田靴木型製作所
かかと部分をグラインダーで研磨している様子。

より細かい刃でグラインダーで木型を研磨/中田靴木型製作所
荒さを細かくしていき、表面を平らにしていく。

より細かい刃のグラインダーで木型を研磨-仕上げ/中田靴木型製作所
更に細かいヤスリで削って、最終仕上げ。経験が必要な職人技だ。
特にかかとに摩擦があると、製靴時の木型を抜く工程で不具合が生じるため、丁寧に仕上げる。

木型底面につける鉄板/中田靴木型製作所
底面につける鉄板。

木型に合わせた底面鉄板を製作/中田靴木型製作所
板からカットし、木型に合わせた底面鉄板を製作する。

底面鉄板を装着する作業工程/中田靴木型製作所
底面鉄板を装着する作業工程。
すべて手作業で行う。

木型に印を付ける作業/中田靴木型製作所
木型に印を付ける作業。
おそらく、履き口のラインの目印だと思われる。

木型に印を付ける作業-手作業/中田靴木型製作所
元のベースの木型に目印のタックス(釘)が打ってあり、その通りに削り出したプラ型には、釘の突起があるのでそれを目印に金槌で打っていく。

次に、ベースとなる木型を作成する作業工程を見せていただいた。
天然木のブロック/中田靴木型製作所
木型の元となる、ベースを作る材料となる天然木のブロック。

木型と作業台/中田靴木型製作所
作業台。

木型と工具類/中田靴木型製作所
木型と工具類。

作業台に吊り下げられた木型のホルダー/中田靴木型製作所
作業台に吊り下げられた木型のホルダー。

機械で木をざっくり切り落とす/中田靴木型製作所
まずは元となるモデルを横に置いて、電動ノコギリで木をざっくり切り落とします。

感覚的に木を切り落とす作業/中田靴木型製作所
モデルの木型を見ながら、感覚的に切り落としていきます。

モデル木型の形状に、切り落とすマシン/中田靴木型製作所
モデル木型の形状どおりに、切り落とした木を削るマシン。
写真左側にモデルの木型をセットし、右側ではその形状通り木を削っていきます。
両方を回転させながら、ローラーが左側のモデル木型に付いて、モデルの形状で右側にセットした木を削る仕組みなっています。

モデル木型と木の塊を、セットした状態/中田靴木型製作所
モデル木型と木の塊を、セットした状態。

回転しながら削られていく/中田靴木型製作所
共に回転しながら削られていく。

セットした木/中田靴木型製作所

回転しながら削られていきます/中田靴木型製作所
左側にセットしたモデル木型どおりの形状に削られていきます。

さらに細かく削って仕上げるマシン/中田靴木型製作所
仕上げは、このマシン。
さらに細かく削って仕上げていく。
ちなみに、この機械は国内では中田靴木型さんにしかないそうだ。

回転しながら削られていく木型/中田靴木型製作所
回転しながら削られていく。

細かく削り仕上げていく/中田靴木型製作所
何度も同じ工程を重ね、徐々に細かく削っていき、最終的には綺麗な表面と曲線に仕上がる。

ショールーム/中田靴木型製作所
最後にショールームに案内させていただいた。
レディースとメンズを含め、700~800型の木型が並ぶ。

様々なつま先のトゥスタイルが揃う/中田靴木型製作所
様々なつま先のトゥスタイルが揃う。

婦人靴の木型/中田靴木型製作所
婦人靴の木型。多種多様なデザイン。

足のフットプリント/中田靴木型製作所
ショールームに飾られた足裏のフットプリント。
かなり昔のものらしい。きっと木型の開発に役立てられたものであると思われる。

【中田靴木型製作所をお伺いして】
私は今まで、靴の製造工場は何度か拝見したことはありますが、木型の製造工場は初めての訪問でした。
まず感じたことは、意外にも手作業の工程が多く、熟練した職人技が必要なこと。
主な成形作業は機械ですが、細かな設計や仕上げなどは、職人の手作業と経験値が重要なことに驚きました。
最後に同社のモデリスト(木型の設計)の渡辺有一氏に話を伺いましたが、既製靴としての木型の設計には、簡単には語れない多様のノウハウがあり、マニュアルなども存在せず、経験から得た蓄積でしかないと語ってくれました。人体の一部の足を、靴に納めるための「木型」の奥深さを感じ、深く感銘しました。

さて、現在同社では、廃材を有効活用したミニチュア木型を作成して、アクセサリーなどにしています。
下の写真は「ペンホルダー」です。
木型のペンスタンド/中田靴木型製作所
廃材を利用して作られたミニチュア木型の「ペンスタンド」。
下記URLの同社ネットショップでも販売しているので、ぜひご覧ください。
オプションで写真のようにロゴ刻印も可能とのこと。(最小ロットあり)
(写真はサンプルで、靴磨き・革靴専門店の「SHOEBOYS(シューボーイズ)」のロゴの入ったペンスタンド)
インスタグラムでも、工房の様子を発信しています!

Nakada Last ネットショップ
https://nakadalast.handcrafted.jp/

中田靴木型製作所 Instagram
https://www.instagram.com/nakadalast/

株式会社中田靴木型製作所
〒125-0032 東京都葛飾区水元5丁目2-17
TEL: 03-3609-0151


(文・写真/シューパラ編集部 大嶋信之)

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